◆赤ちゃんの能力◆
今日、訪問した赤ちゃんにビックリしたことがありました。
赤ちゃんが泣き始めた時、ママがが手が離せなかったので、代わりに私が抱き上げたところ、まるで誰?っと言わんばかりにべそをかいたのです。
授乳中見ていたら、ママの顔をしっかり見て飲んでいます。
お母さんを信頼しているから違いが分かったのでしょうね。
まだ33日目です。
いつ頃からママを認識するのでしょうか。
赤ちゃんに聞いてみたい気持ちです。
これで2回目の不思議な体験でした。
◆赤ちゃんの意思◆
「まだ生まれて1週間なのに、あんなに自分の意思があるなんて驚いた!
気に入らないと手足をつっぱって泣くのよ。
とおばあちゃん。
夕べも1時間置きに起きてたみたい。
娘を寝かせてあげたいので、今朝、1時間も抱っこしてたら、肩が凝ってしまって・・・」
と友人が湿布の臭いをさせながら言ってました。
ここのところ、じっくり赤ちゃんと付き合いが増えて、今まで以上に、赤ちゃんのはっきりした個性と意志を感じている私は思わず「そうでしょう?」と言ってしまいました。
母乳育児の本の中に、「母乳育ちの赤ちゃんが泣いてるとき、何度もおっぱいを飲むことで泣き止むのなら、気にせずどんどん飲ませましょう。」とあります。
30分おきでも1時間置きでも回数は気にせず、赤ちゃんが欲しがるだけ授乳してかまわないのです。
生後1ヶ月までは特にこの傾向がつよく母乳育児の頑張りどきです。
◆赤ちゃんは寝心地がわかる◆
「下に降ろすと泣くのでずっと抱っこで困る」とよく聞きます。
いろいろな理由はありますが、その一つに布団が固くて寝ないというのもあると助産師仲間では話しています。
姪っ子の生まれてまだ1ヶ月以内の女の子もそうだと言うので、羽毛の掛け布団を4つに折って寝かせてみました。
『すごく良く寝るよ!』と言う訳で、今は別のふわっとするものに変えているようです。
乳幼児突然死症候群がマスコミをにぎわしてから、業者がより固いベッドを作るようになったとか・・・。
お腹の中でふわふわとしていたのが固い布団ではその違いに赤ちゃんは敏感です。
まだ寝返り前だったら、軟らかい布団でも昼間目の届く間は大丈夫です。
汗をかきますからふわっとするものにバスタオルやタオルケットを敷いて寝かせるといいですよ。
◆赤ちゃんの変化◆
赤ちゃんの柔軟性や適応能力にはいつも感心します。
赤ちゃんはママの気持ちを実によく感じとり、ママがリラックスしていると赤ちゃんもよく笑い、身体も柔らかく、力が抜けている分、抱かれると自然にもたれてきて密着します。
しかしママが緊張していると赤ちゃんも身体に力が入りもたれかかってくる密着感の程度がいまいちです。
これは自分の欲求が満たされずストレスを持続的に抱えているときの状況です。
先日お会いした母子がそうでした。
今回の原因は「授乳が上手くいくようにママが何とかしようと頑張った」頑張ったけど上手くいかず、段々追い詰められ気持ちの余裕がなくなってしまった。
それが赤ちゃんに伝わったということでしょう。
こうなった状況に出会うといつも痛ましいと思ってしまいます。
この赤ちゃんは初対面のとき身体を硬くし 抱き上げると両足をピンと伸ばしスッくと私のひざの上に立ちました。
まるで(きをつけ!)の姿勢をしているときのようです(3ヶ月では瞬間に足を突っ張ることはありますが、立つと言う表現が相応しいほど長く突っ張っていられないのが普通)。
ママと今までのことを色々話ながら、そのあいだ赤ちゃんの背中をゆ〜っくり優しく擦っていたらだんだん身体から力が抜けていきました。
それが手に取るように分かり「かなり緊張していたんだなぁ」ということを改めて感じました。
次にお会いしするまでに幾つかママにお願いしていたことの一つに、授乳が上手くいくために今の人口乳首(使用中の乳首は口を大きく開けなくてもよいものだった。ママのオッパイを吸うためには最初に大きく口を開けることが必須)を母乳実感又は母乳相談室(口を大きく開けることが自然にできる)という他社のものに替えてもらうことでしたが、すぐに交換して、赤ちゃんは驚くほど見事に上手な吸いかたに変わっていました。
生後すぐから同じ乳首を使い続けていて(現在まる3ヶ月なので赤ちゃんにとっては相当違和感があったはず)他社に替えた場合、これ程短期間で上手に吸える赤ちゃんは少数で滅多にいません。
更に、前回は私が話し掛けると話したそうに何度も口はあけるのですが、声がでなかったのです。
しかし、なんと声も出てよくお話しするようになってます。
私が話し掛けながらおおきな声で笑ったらつられて直ぐに声をたててよく笑ったのにはビックリしました。
本当にその変化には驚くばかりでしたが、勿論これはママが日々努力した賜物といっていいでしょう。
心なしかママが少し明るくなってるようにも見えました。
…赤ちゃんは周りの状況がよくわかっている…と、常日頃感じますが、この赤ちゃんはその点が群を抜いていました。
時に「話の分かる大人」と接しているかのような錯覚を覚えるほどでした。
関われる時間がもっとあったなら、きっとママが望んでいた直接母乳が持続可能だったはずです。
何故なら指導中、自分から(赤ちゃんが)ごく自然にママのオッパイに吸い付いた時が(2回)ありましたから。
今回、思ったのは、授乳が上手くいかない場合早ければ早いほど解決するまでの時間が短くてすみますので、独りで抱え込まずママが「相性がよい」と思える助産師を探して欲しいと思います。(難しいでしょうが、諦めずに)
◆おちょぼ口◆
生後27日目の男の子ですが、おっぱい飲んで満足したときに口をとがらせながらおちょぼ口をしました。
おっぱいが足りているかどうか心配!
という声を耳にします。
このようなおちょぼ口は本当に満足した時とか気持ちのいい時にしかしませんので(おっぱいのんだあと、ウンチをしてすっきりしたときなど)毎回ではなくても、こんな表情をしてくれることがあったら心配ありません。
赤ちゃんのしぐさや表情は、全て分かるわけではありませんが、何らかの意志表示をしていると感じます。
おっぱいが出ないと付随的に(暴れているとしかみえませんが・・・)ママを叩きますし、乳首をくわえたままのけぞったり、うなったり、文句を言って泣いたり、もじもじ、くにゃくにゃと身体をよじったりして落ち着いて飲みません。
このしぐさはどの赤ちゃんも皆同じです。
おっぱいを出すコツは赤ちゃんに吸ってもらうのが一番といいます。
たくさん出ていたのに段々出なくなっていくのには理由があって、
第一に飲ませる回数が少ない(1~2ヶ月は1日10回以上)
第二にママが慢性的に心身ともに疲れがたまり、リラックスできない状態が続いている
など上記の原因が考えられます。
3月8日の初めての育児・・・の続きですが、とにかくこの赤ちゃんは機嫌よくしていることが少なく、何をやってもだめだったのでママが自信を無くしてしまいました。
最初はお尻のただれが痛くて不機嫌だったのですが、おまじないが効いてそのことで泣くことはなくなってきました。
ところが、それが治ったころに、今度はママのおっぱいが足りなくて不機嫌になっていました。
この二つのことはまったく違う理由ですが、赤ちゃんにとってはどちらも不愉快なことだったので泣くことが多かったようです。
でもママは不足していると思わなかったので、母乳だけでやりたいと頻繁に飲ませて頑張っていました。
ところが体重が増えないので心配してミルクを足したほうがいいかと相談されました。
そこで久しぶりに伺ったところ、右のおっぱいは詰ってしまって以前のようにおっぱいが出ていません。
試しにミルクを足してみました。
140mlぺロッと飲んで上機嫌です。
その後眠たそうにしていたのでママがスリングに入れて抱っこしたら、この後の反応には、私も驚きましたが
『そう!こんな風にしてもらいたかったんだよ』
と言わんばかり上機嫌で、突然ママの顔を見て話し始めたのです。
それも結構なが~く一生懸命です。
よほど満足し、嬉しかったのだとその変化に感心してしまいました。
ママもはじめて見る表情だったのでびっくりするやら嬉しいやらで赤ちゃんからの最高のプレゼントに幸せそうでした。私も初めての経験でしたが、2ヶ月余の赤ちゃんの能力の高さをまざまざと見せつけられたように思います。
おっぱいが回復するまで、ミルクを足すことになりましたが、哺乳瓶で足すことに抵抗があると言うので、ナーシングサプリメンターで補うことになりました。
母子の緊張をほぐそうと、友人の助産師にわらべ歌ベビーマッサージのさわりを伝授してもらったり、いろいろ励ましたりしてようやくママと赤ちゃんの笑顔が見られるようになりました。