母乳不足かも

◆母乳は足りている?◆

母乳育児をしていると足りているのかどうかが一番心配になりますね。

母乳を頻回にあげても、すぐに泣くので周りのおばあちゃんやご主人が、ママの体や赤ちゃんにとっても良くないのではないかと心配して、「ミルクを足したほうがいい」とつい言ってしまうことがあります。

しかし、赤ちゃんが泣くのは必ずしもおっぱいとは限りません。

オムツが汚れた、げっぷが出ない、飲みすぎて苦しい、お腹にガスがたまって痛い、お母さんと離れたくない、抱っこしてほしい、怖い、不安、寒い、暑い、痒い、痛い等などいろいろあります。

母乳育児をしようと頑張っているママにとって『ミルクを足しなさい』と言われるのは自分の努力を否定されたように思ってしまうことがあります。

ママは毎日手探りで不安だらけですから精神的に孤立させない様に、そんなときにはどうぞ一緒に考えて支援してあげてください。

ママと赤ちゃんの授乳リズムが順調に回りだすのに個人差はありますが3ヶ月近くかかります。

だからこの時期を「魔の3ヶ月」というのですが・・・

この期間は、運転に例えれば仮免前の運転技術獲得の期間だと思って下さい。

ですから、上手くいかなくて当たり前ですね。

『 母乳育児の赤ちゃんは1ヶ月健診時に600gも増えてれば大丈夫。

赤ちゃんが泣くのは、乳汁をほしがっているだけでなく、においや感触でお母さんの存在自体を確認したがっている、つまり「お母さんをほしがって」泣いていることが多いのです。

では大丈夫のチェックポイントは?

おっぱいの飲み方はどうか、肌のつや、顔色、元気に動いているかどうか、排泄は順調か、母乳が足りてるかどうか知る目安は?

①おむつが1日6~7回ぬれている

②機嫌が良くぐっすり眠る

③奥からわいてくる感じの母乳をしっかりおっぱいをくわえてゴクンゴクンと飲む 』

「おっぱいとだっこ」より 竹中恭子 春秋社

 

◆母乳不足?◆

新宿区の新生児家庭訪問で北新宿3丁目に行ってきました。

生後20日目の女の子、退院時から今日までの体重増加は母乳だけで1日66グラム、順調!!です。(母乳だけでは1日20g以上の増加ならOKと言われています)

でもママは「母乳が足りているか」と心配していました。

何故でしょう?

それは「飲んでも1時間くらいですぐ泣く」からでした。

授乳回数は13~15回で、この時期はこれが普通です。

赤ちゃんは一度に沢山飲めませんから回数多くして、1日量を確保していますし、一方ママのおっぱいは回数多く吸ってもらうことでドンドン出が良くなってくるという訳です。

母子の関係って不思議ですね!

因みに睡眠も赤ちゃんと同じパターンだと言う研究もあり、細切れ睡眠でもなんとか乗り切れるのはそのせいでしょうか?

母乳育児が確立するには個人差はありますが1ヶ月以上はかかります。

でも一度確立してしまうと楽ですし、何より赤ちゃんとの距離がより近いと感じるようになりますから、頑張ってほしいと思います。

赤ちゃんが泣くのは、1番、お腹が空いた、2番、オムツを替えてほしい、3番、ママにくっついていたい!4番、その他です。

と言うわけでこのお子さんの泣く理由は3番目のくっついていたいです。

ですから抱っこは自然なことなのです。

そうして毎度赤ちゃんの期待に応えていくと信頼関係が出来るといわれています。

信頼関係が出来ると、赤ちゃんは自信が出来(自己肯定感が芽生え)、情緒が安定して(つまり気持ちが満たされている)精神的に早く自立できるとも言われています。

 

◆おっぱいは足りている?◆

4人のご依頼があり、皆、おっぱいが不足しているかどうか心配、また乳首の痛みを伴うので授乳が苦痛だということでした。

いずれも浅い飲み方の為赤ちゃんが乳首にぶら下がりストロー飲みをしているのが原因でした。

抱き方や正しい吸い付き方で解決できそうなので、その旨お伝えして実践出来るように直しましたが、赤ちゃんも浅飲みのクセがつくと、深くくわえさせても頭をのけぞらせて浅くしようとしますから、そしたらまたもう一度やり直し、根気良くやるしかありません。

深くくわえていると2時間吸わせ続けても痛くならないと聞いたことがあります。もしも痛みを感じたら生後1ヶ月以内に助産師にチェックしてもらい出来るだけ早く良い癖をつけてください。

何故深くくわえさせることが必要かというと、「乳房の奥のほうから効率よくおっぱいを飲み取ることが出来て益々おっぱいの出が良くなるから」です。

そうすることで乳首に傷ができて痛くなったり、おっぱいが詰まったり、乳腺炎を起こしたり、などの予防ができるからです。

 

◆もっと母乳量を増やしたい!◆

もっと母乳量を増やしたいと約1ヶ月前から手当てし、ママもハーブティーを飲みながら頑張っていました。

その努力の甲斐もあり、「飲みながら唸って文句を言っていたけどミルクの追加も夜間1回40~100mlに減りました」と報告がありました。

反応がゆっくりだったので心配しましたが、「良かった!!」 完全母乳の日もすぐそこにきています。

 

◆母乳をふやしたい◆

ここのところ乳汁分泌促進の依頼が続きました。

生後19日目、1ヶ月目、2ヶ月後半、3ヶ月の4名の方々です。

やはり生後日数が若いほど分泌良好になるまでに掛かる時間が短いですね。

19日目の方と1ヶ月の方は抱き方とくわえさせるタイミングをお教えしただけで、日に日に乳汁分泌量が増え、1ヶ月掛からずに二人ともほとんど完全母乳になりました。

しかし、生後2ヶ月を過ぎると時間がかかります。

その理由は二つ。

①目が見えるようになり同時に知恵がついてきてママの乳首から吸う努力より簡単に吸える哺乳瓶に気持ちが傾くことが多いこと。それを再びママの方に振り向かせるのは一苦労です。

②乳汁分泌促進の努力はひとえに「ママの強い意思にかかっています」が、日常の雑事や慣れない育児をやりながらだと、どうしても集中できないことがでてきます。その時、休み休みではなかなか効果が上がりません。

私が毎日手当て出来れば問題は無いのですが、諸事情で難しい状況です。

ですからおっぱいの出がよくないなぁ、と思ったら1ヶ月以内に集中して手当てすることをお勧めします。

そのほうが努力の効果を早く実感できますよ。

 

◆おっぱいが出るようになりました。◆

現在6ヶ月の男児をお持ちのママがオランダからメールをくれました。

この7月からオランダに単身赴任したご主人のところへ夏休みも兼ねて遊びに行ってる方です。

こちらにいるときは、6月に同じ都内ですが、転居し、その後は赤ちゃんやご自分の病院通いご主人の単身赴任の準備などなどのため、心身の疲労の蓄積で、私がいくら集中して手当てをしても、分泌は一時上がるものの、その時だけの反応でいまいち増加傾向になりませんでした。

それが、嬉しいことに、ご主人のそばに行って10日目になりますが、親子ともの~んびりしているうちにおっぱいが増えてきているそうで、夜中や朝方の授乳は母乳だけでまかなえるとか。

何より母乳のあとはミルクの時には見せない満足そうな表情にメロメロになっているそうです。

そういえば以前にも、家庭内の問題が解決したらどんどん分泌がふえたという方がいました。

もちろん、その間手当てしてかろうじて止まらないようにしていましたが、やはり女性の身体はとても感情に敏感です。

おっぱいがよく出るようになるためにはいろいろな要素が重なり合って複雑ですが、その中でも特に感情の影響は大きいですね。

いったんクールダウンした乳房をまた活発に乳汁生産状態に持っていくのは、本当に努力が必要です。

上手くいくコツはクールダウンする前の生後1~2ヶ月の初期の頃、早く手当てを開始することが何より重要です。(しかもこの時期に手当てすると効果は目に見えて現れます)

しかし、大抵は数ヶ月が経過しておっぱいがほとんど製造休止状態になってからの依頼が多いです。

おっぱいは手当てすれば、いずれ回復しますが、そのためには毎日集中して手当てを行う必要があります。

休み休みでは効果がなかなか上がりません。

しかし金額の問題もあり、今のシステムでは思うように効果をあげることが難しく、ジレンマを感じています。

おっぱいを出すためには入院中、退院後とにかく頻回に吸わせてミルクを足すのは、「どうしても足りない」という時にだけにすることをお勧めします。

何故かと言うと「安易に足すことでおっぱいへの刺激が少なくなりますます出なくなります」から。

必ず出る!!と自分を信じて、赤ちゃんに吸ってもらってください。

それでもなかなかでなかったら一日でも早く助産師に手当てしてもらってください。