陥没乳頭

◆ミルクを飲んだけど、母乳も飲んだよ!!◆

今日、初めて赤ちゃんが積極的に母の乳首に吸い付いてくれました。

先月7日(44日目)に『ぴーあんどぴー』に、ご連絡いただいた陥没乳頭の方ですが、赤ちゃんにとって吸える条件を整えないまま無理強いしたために、すっかり乳房を嫌ってしまい、お母さんが抱くと「反り返って泣きながら抵抗する」ようになっていました。

お母さんはおっぱいが出るので直接あげたいと依頼してきましたが、こんなにこじらせてしまった状態を、どうしたらよいのか、と思案にくれました。

いろいろ試行錯誤しながら関わって、今日で丁度70日目。あれほど嫌がって泣いて抵抗していた赤ちゃんが上手に吸い付いてくれて本当に嬉しくてお母さんと手を取り合って喜んでしまいました。

ある日、今日はどうしてもお出かけしなくてはならないので、「また哺乳瓶を使うと先日のように逆戻りするのではないか」と、お母さんが心配していました。

でも使わざるを得ないということなので、振り出しに戻る可能性もあるとお母さんに話しながら、そうなったときの対策を考えました。

実は、初日にお母さんのおっぱいから飲むように一日中努力して、赤ちゃんも少しその気になっていたのに、その日の夜中「1回だけなら大丈夫、と哺乳瓶OK」としたら(甘かった!)、2日目にはもとに戻って、また赤ちゃんから強い抵抗をうけてしまったのです。

そのことをお母さんは心配していました。

ところが大丈夫でした。

外出先で2回哺乳瓶で飲ませてますが、帰宅後嫌がらずにお母さんのおっぱいを飲んだそうです。

今はまだ飲ませやすい右乳房だけにしてもらっていますが、左は「右で慣れた」とお母さんが判断したときに飲ませてもらうことになっています。

約1ヶ月前あまりに激しく泣いて抵抗するので、しばらく嫌な記憶を払拭するために間をおき、今回3日間付きっ切りで授乳介助した結果、直接母乳を吸うことができました。

でも、「授乳介助しただけではあまり効果的ではない」ということを赤ちゃんに教えてもらいました。

鍵は赤ちゃんが嫌だと泣いて抵抗した「原因」を「取り除くこと」だったのです。

赤ちゃんの気持ちに沿って対応してあげたら、ちゃんと応えてくれました。

その時間はほんの数分の出来事でしたが、改めて「赤ちゃんの気持ちを尊重することの大切さ」を知ることができました。

そして今回もお母さんの努力に頭が下がりました。夜中の授乳は本当に心細かったと思いますが、(慣れないカップ授乳をしてもらいましたから)よくぞ頑張ってくれました。

お母さんに乾杯!

 

◆上手!!◆

母乳量がもう少し増えるまでナーシングサプリメンターでミルク補充です。

1週間前には陥没乳頭のため直接母乳が吸えなかったお子さんですが、ママと二人で努力して、短期間で本当に上手に吸えるようになりました。

生後34日目です。

 

◆お話できるよ◆

今日で84日目、ママと二人三脚でここまできました。

1ヶ月振りに会ったら、落ち着いた表情で赤ちゃんらしい雰囲気を醸していたので、あまりの変化に驚きました。

生後26日目に初めて訪問しましたが、その時はママの乳首は陥没乳頭で、おっぱいは出ない、その為「赤ちゃんは吸い付かない、いつも腹八分で落ち着かない、体重増加が少ない」、ママは見通しの立たない母乳育児に一人で格闘している状況でした。

振り返ると本当にいろいろありました。

ママには母乳へのこだわりがあって、「自分流でドンドン工夫しながら進んでいく方」だったので、私はそれを大事にしながら見守ってきました。

今日、ママは『頑張ってよかった!!』と言っていましたが、その言葉には実感がこもってました。

本当に良く頑張りました。

そのママの気持ちを表しているかのように「赤ちゃんがとても良い顔」をしています。

そばで見ていると「母子の関係がとても良いな〜」というのが良くわかります。そんな訳で、今日は最後の訪問になりました。

私としては、「嬉しくもあり寂しくもあり」の複雑な心境なのです。

 

◆陥没乳頭で吸えました!その1◆

生後50日目の赤ちゃん、直接母乳ができました!!

お母さんは陥没乳頭のため妊娠中から手当てし、産後もずっと努力して吸い付くところまでは出来るようになっていました。

でも、すぐに離してしまい、その後は嫌がって吸い付かないので、搾乳とミルクの混合であげていました。

最初伺ったときは、正直言って以下の理由から直接母乳は難しいと思いました。

①日数が経ちすぎていること。(相当抵抗しますが、経験から今は3か月でも大丈夫です)

②人工乳首に慣れてきていること。

③お母さんの乳首を覚えてしまい、嫌がっていること。

そんな私に、お母さんは「でも母乳でやりたいんです」とつぶやくように言いました。

お母さんがそんな想いでいるのなら、もしかすると「直接母乳出来るかも」と心が動かされました。

 

◆陥没乳頭で吸えました!その2◆

直接母乳の条件は
(1)お母さんの乳首の長さが充分であること(乳輪部からつまんで、人差し指の第一関節まで余裕をもってつまめる位が目安ですが、短くても赤ちゃん次第で、自分で乳首を手繰り寄せて吸えるお子さんもいます。要は、その赤ちゃんが吸ってくれる長さがあればよいのです)

(2)赤ちゃんが舌で乳首を口の中に吸い込む動作ができること

赤ちゃんは簡単におっぱいを吸っていますが、以上の条件を満たさないと直接母乳は出来ないのです。

このお子さんは(2)の動作は出来ていましたが、お母さんの乳首の長さが十分ではないため、すぐに外れてしまい、直接母乳を嫌がるようになってきている状態でした。

そのため最近は吸い付くけれも、ハット気づいて「これじゃない!」と泣いて嫌がるようになっていました。

でも50日近くも努力していたのですからお母さんも赤ちゃんも辛抱強いですね。

 

以下はそんなお母さんと赤ちゃんと二人を支えたお父さんの奮戦記です。

アドバイスしたのは以下の4つでした。

1.赤ちゃんの「直接母乳を嫌だ」という記憶を薄れさせること

2.母乳の味を忘れさせないこと

3.赤ちゃんの舌がしっかり下唇まで出せるように訓練すること

4.お母さんの乳首の伸展性をよくすること

1、に対しては、2日間直接母乳中止

2、に対しては、搾乳して飲ませる

3、に対しては、スプーンで母乳を飲ませる。赤ちゃんが嫌がったら、その後は特殊な人工乳首の哺乳瓶を使う。

4、に対しては、乳頭吸引器を使って乳首の伸展性を良くする。

上記に沿って、具体的な方法をお伝えし、時々連絡を取りながら行ってもらいました。

そして、いよいよ3日目、直接母乳を試みたら拍子抜けするくらい何事も無かったかのように吸い付いたそうです。

しかし、うまくいったと思ったのもつかの間で、やはり気づくと離してしまうとの報告をうけたので、赤ちゃんの機嫌を損ねないように無理強いせず、スプーン、直接母乳、哺乳瓶と取り替えながら慣らしていくようにアドバイスしました。(私が不在だったため)

でもこれからがすごい。

私の想定を超えてお父さんは、工夫しました。自分の小指を吸わせて、赤ちゃんの舌の使い方を確認し、タイミングを見計らって、お母さんのおっぱいにバトンタッチしたり、人工乳首を吸わせている途中ではずし、すぐさま直接おっぱいにバトンタッチを試みたりと・・・。

 

◆陥没乳頭で吸えました!その3 完結◆

3日目に伺ったとき、赤ちゃんはさっぱりしたいい顔をしていてご機嫌です。

あやすとニコニコして、喃語もでていました。

赤ちゃんにとって、この数日は、ストレスではなかったということを証明してくれたようなものですから安心しました。

ご夫婦が如何に赤ちゃんの気持ちを尊重しながら授乳訓練していたかも想像出来ました。

そこで、この2日間のうちに直接母乳の下地が出来ましたので、一度も成功しなかった左乳房をしっかり搾乳し、乳首の伸展性を良くしてから、直接母乳を試みてみました。

二、三度嫌がる素振りをしましたが、乳首が舌の上に乗ると、今までのことが嘘のように上手に吸い始めました。

そして、反対側もごく普通に抵抗なく吸いつきました。

お母さんが喜んだのは言うまでもありませんが、まさに親子三人の努力が実を結んだということです。

あれから4日経ちましたが、以後は直接母乳を嫌がらずしっかり吸っているそうです。

何より頑張ったお母さんは偉い!

赤ちゃんも偉い!

そしてここで大事なのはお父さんの存在です。

お父さんが「直接母乳をあげたい」と言うお母さんの想いを、しっかり受け止め、一度もぶれなかったことです。(大抵は赤ちゃんの泣き声に負けてしまうことが多い)

お母さんの気持ちに寄り添って一緒に考え成功できるよう工夫し、尚且つ二人を暖かく見守ってくれたことに感謝です。

育児に参加するということの一つに、沐浴やオムツ交換などの手伝いも助かりますが、このお父さんのようにお母さんの気持ちに寄り添うことも大事ですね。

愛があれば、不可能は無いと教えられたご家族の話でした。

かくして直接母乳を再開してから2日間、親子三人で頑張りました。

以上は私の経験上の方法で、科学的に証明された訳ではありません。

1つの方法ですから、参考にしていただければ幸いです。

 

◆母乳をあげたい!!◆

病院で出産して退院後2日目の方から、SOS。「おっぱいが吸わせられないので来て欲しい」

「仮性陥没乳頭で浮腫んでいるために、乳首はゴムのように硬くて大きく」柔らかくするのも時間が掛かりそう。

加えて痛みが強く触るのも気の毒なくらい、形も吸い付くには難しいタイプ。

でもおっぱいは時間がくると張ってきて、これもご本人にとっては苦痛です。

二重三重に辛さが増している様子。

う~ん、これは難問。

でも何とか吸える様にしたいと、それから知っている限りの手当ての全てを駆使したところ、(ノニジュースも活用しました!)ようやく10日目にしっかり吸い付くことができました。(それまでは吸い付いてもすぐに離してしまう)

普通、おっぱいは産まれたらすぐに吸わせる事ができると思っていますよね。

実際そうなのですが、この方のように乳首にトラブルを抱えると母乳を吸わせることが、なかなか出来ないのです。

今回は魔法使いのようにあっという間に解決できないかしらとつくづく思いました。

でも、お母さんが努力をしてくれたお陰と、赤ちゃんが諦めずに何度も吸い付いてくれたことが成功した大きな要因かも。

赤ちゃんに感謝!!

 

◆陥没乳頭でも絶対授乳できる!!の信念◆

今日、訪問した方は生後69日目の女の子さんをお持ちのママでした。

真性陥没乳頭でしたが、生後1ヶ月までは搾乳で、その後病院の助産師や小児科医から「頑張って!と言われて続けていたら出来るようになりました」と・・・。

「上手くいった理由はなんだろう」と考えてみました。

よくよくお話を伺ったら、親戚のおばさんの一言でした。

「私も陥没だったけど、大丈夫!子どもが吸いだしてくれるから」ということを聞いていたので、絶対出来ると思って諦めなかったそうです。

でも特殊な例かもしれません。

陥没乳頭、扁平乳頭、短乳頭などが、吸えるようになるための成功要因はいろいろありますが、その中での一番は何と言っても「赤ちゃんの生まれ持った性格」です。

「性格が大きく左右する」というのを数多くみています。

短気な子、我慢強い子、焦れて泣くけれど、何度でも挑戦する子。

一番厄介な子は、「短気でおまけに頑固さん」(笑)そのうち、おっぱい抱きをしただけで大泣きするようになります。

挙句に毎回ママから離れようとすごい力でつっぱて泣くようになります。

という訳で、育児の先輩の一言と、ママの出来るという信念、赤ちゃんが辛抱強く付き合ってくれたことなどが成功した要因ですね。

今日のママと赤ちゃんは本当にラッキーだったと思いました。

 

◆今日で卒業です◆

左のおっぱいが陥没乳頭だったため吸えなかったのですが、しっかり吸えるようになりました。

まだ分泌量が満足するほどではないので、ナーシングサプリメンター使用です。

でも1日2回だけは母乳のみでまかなえるようになりました。

3ヶ月掛かりました。最初の一ヶ月は元気なはずの右のおっぱいが乳腺炎だったので、その手当に時間がかかりましたから。

もうすぐ6ヶ月です。

ママととても仲良しで、よ〜くお話しします。

 

◆ママからのお知らせ◆

今日、1ヶ月健診に行ってきました。

9月24日(体重3535グラム)から、母乳だけ与えて、2週間で、4270グラムになりました。

1日あたり52.5グラム増です♪

「おかげさまで、乳首もかなり出てきましたし、痛みもありません。

○○は、丸々太って、二重あごになり(笑)、最近は、授乳後、1~2時間眠ってくれます」

陥没乳頭でしたが、母乳育児を希望されて熱心に準備されていたママです。

陥没乳頭で妊娠中からお手伝いした方は初めてでしたが、私も勉強させて頂きました。

 

◆陥没乳頭の手当ては?◆

「二人目が出来ました。最初の時苦労したので今回も事前に何か手当てしておくことがありましたら教えてください」と先日こんな問い合わせがありました。

前回、とても苦労して完全母乳にした方です。生後数日で伺いましたが、かなりひどい乳房緊満状態でした。

赤ちゃんはハーモニカを吹くように滑っておっぱいが吸えないためママの苦痛は最高に達していました。

でも、このママは泣き言を言わず頑張りました。その結果、乳首はしっかり出て、赤ちゃんも上手に吸っていましたから「乳首が指でつまめるなら何もしなくていいですよ」と返事しました。

でも「少し心配」とおっしゃってましたので、今はまだ28週なのでフラワーマッサージ、産休にはいったら一度見させていただき、手当てしましょうということになりました。

 

◆陥没乳頭でも飲めるようになります◆

さて最近、一番印象的だった母子の経過をお話したいと思います。

依頼内容は「陥没乳頭だけど直接授乳したい」です。

生後5日目の男児。

実は生まれる4日前に一度ご相談を受け、退院したらすぐ訪問する事になっていました。

お二人目で今回は母乳を少しでも多く飲ませたいということでした。

依頼時の状態は

「おっぱいは充分出るけど陥没乳頭のため飲めない」ので搾乳と不足分のミルクを追加していました。

(事前に無理強いして授乳訓練はしないようにお伝えしてましたから想定内です)何度も書いてますが、

赤ちゃんが直接飲むことが出来るためには

①乳首が軟らかくなりママの指でらくにつまめようになることです。

乳首が整うようになるまでには約1ヶ月以上かかります。

悩ましいのが、赤ちゃんは日々成長するので、それまでの間、日に何度も口にする

②人口乳首に馴染んでしまう

ということです。それともう一つありがちなのが、焦って

③嫌がる赤ちゃんに無理強いの授乳訓練をする事です。

その爲いざ、①の条件が整って直接授乳を試みようとしても、この②③が大きな障害となります。

赤ちゃんはとても利口ですから嫌なことは、すぐ察知し泣きながらママから離れようとそっくり返って抵抗します。

おっぱいを咥えるどころの話ではありません。

こうなると、まず赤ちゃんの気持ちをほぐすことから始めなくてはなりません。

その上で「おっぱい飲んでみようかな」と言う気持ちになるまで時間をかけて、ご機嫌伺いをしなくてはならず、これが最難関なのです。

これはほとんど私たちのせいともいえますが・・・。幸いこのママは≪事前にお話した≫ ということもありますが、珍しいくらい全くそれをしていませんでした。

関わっている間、基本的に赤ちゃんが嫌がることはしないというスタンスだったのでとても助かりました。

今回は母乳分泌が良好、時々乳首に近づけることを何度かしてみましたが、赤ちゃんの拒否反応はありませんでした。

そのため乳首の条件が整うまで「母乳分泌を落とさないようにする」ことだけで済みました。

お母さんの努力の甲斐があり、ほぼ1ヶ月後条件が整い、いよいよ直接授乳です。

試みたらすぐに成功しました。

良かった〜と思ったら、1ヶ月後「飲まなくなった」と連絡があり、おかしいな? 何故だろう?

いろいろママに伺って分かりました。原因は、「2ヶ月になったので新生児用の乳首を3ヶ月用に替えた」ことでした。

赤ちゃんがおっぱいとミルクの乳汁の出方を比べたのです。(ほとんどの赤ちゃんは楽に沢山飲める方が好きです)

新生児用の乳首はしっかり吸わないと出ないので、それが母乳を吸うときにプラスに作用しているなぁと、秘かに思っていたのですが、それをママに伝えていなかった私のミスでした。

早速、元の新生児用に替えてもらい一件落着。

やれやれ(笑)です。

それから何度か飲まない時がありその都度原因を探し対処して、その後約1ヶ月を経過して、いまや「ほぼ母乳で賄える」ところまでになりました。

毎回、直接授乳を成功させるには、かなりのエネルギーを費やし楽ではありませんが、でもママの安心した嬉しそうな顔を見ると微力でも役に立ってる気がしてやめられません。(笑)