育児奮闘記

◆育児支援のいろいろ◆ 

育児支援というと、専門家 をイメージされるかも知れませんが、実際は祖母、実母、姉妹などの身内だったり、友人、先輩ママの割合の方が多いと思います。

しかし、昨今忘れてならないのがご主人の存在です。

母乳育児をしたいと頑張っていたママに見事な支援をされた4人のご主人をご紹介いたします。

 

お一人目は
陥没乳頭のため直接授乳が出来なくて、カップ授乳を母子で悪戦苦闘していた時のことです。

「君が頑張りたいのなら応援するよ。でも辛くなったらいつでもミルクに替えたらいいじゃない」

そしてこのご主人はカップ授乳が上手くいくために赤ちゃんの口に合いそうな楕円形の小さなカップを探してきてくれました。

いかがです?

素敵でしょう!!

この言葉でママ は「支えてもらっている」と暖かい気持ちを感じて頑張れたと仰ってました。

赤ちゃんが泣いたり、ママが辛そうにして頑張っているのを見ていられなくて、つい周りは「そんなに頑張らなくてもミルクで良いじゃない」と言ってしまいがちです。

そう言いたいのをグッとこらえて 、励ましの言葉をかけたご主人に、支援ということを改めて教えていただいたように思いました。

支援とは「される方の心に寄り添うこと」なんですね。

 

お二人目は、何も言わず黙って見守ってくれたことでした。

この赤ちゃんは生まれたときからおっぱいを上手く吸えなかったため、舌小帯の手術をした1か月後に依頼されたのですが、授乳訓練の時、どうしても慣れた哺乳瓶を欲しがって泣きます。

二日目にしっかりと舌が使えるようになり上手に飲めるようになりましたが、この時、事情があって在宅していたご主人は、隣室で多分居ても立っても居られない気持ちだったと思います。

よくぞ我慢してくださったと思いました。

 

三人目の方は陥没乳頭で授乳拒否になった赤ちゃんのパパです。

幾つかアドバイスをしましたが、たまたまやむをえず私が留守をしなければならなかったとき、上手く吸えない赤ちゃんとママの間に入って機転を利かせ、自分の小指や人口乳首をちょっと吸わせ軌道に乗ったところでママのおっぱいに吸い着かせることをしてくれていました。

そのおかげで、私が乳首を柔らかくし、介助したらすぐに吸えるようになりました。

 

四人目の方はママの熱意を尊重し一度も否定的な言葉を発せず、3か月もの間忍耐強く励まし見守ってくださったご主人です。

お一人目(長女)の赤ちゃんのとき陥没乳頭で直接飲めなかったのですが、私がお会いした時はお店が開けるくらいあらゆる授乳グッズを試されていました。

また同業の助産師数人にも診てもらってもいました。

「どうしても見てほしい、上京する」とまで言われて悩みましたが依頼を受けることにしました。

新幹線で約2時間の地にいますから、乳飲み子を抱えて移動はさせられないので私が動くことにしました。

諸々の費用はバカになりませんが、それをご主人は快諾されたのですからすごいです。

そしてまた、お二人目もやはり直接授乳が出来ず今回も要請されたので行ってきました。

もちろん最初のお姉ちゃんは30分でおっぱいが吸えるようになりましたが、弟はなかなか頑固さんで、てこずりました。でも、3日目には吸えるようになりました。

お姉ちゃんは2歳まで母乳育児を楽しみ元気いっぱいのお子さんに育っています。

今回の弟君は今、3か月になりましたが、2週間でようやく軌道に乗り母乳育児を楽しめるようになりました。

以上、4人のご主人はそれぞれの形は違いますが、「寄り添う」という点では皆同じ支援の仕方でした。

パパが沐浴 やおむつ交換などの育児技術を修得して育児の一部を負担してくれるのはもちろん助かります が、授乳が上手くいかずに「母としての自信が持てずにいるママ」の心情に寄り添ってくださるのが何より素晴らしいく又有難いことです。

産後は分娩の疲れが癒えないうちに慣れない育児に突入しますので、不安 と恐れ を抱いている方もいらっしゃいます。

それをご理解頂いて、是非ママの心の応援をお願いしたいと思い、ご紹介しました。

 

◆すごいことです!!感激!◆ 

きょうの訪問で驚くやら感心するわで、今までの ~兎唇の赤ちゃんに対する看護の概念~ が吹っ飛ぶような衝撃的な瞬間に出会いました。

実はこのお子さんは右側の兎唇です。にも拘わらず直接授乳ができて、赤ちゃんも言うこと無いほど吸い付き方が上手なのです。(直接母乳は不可能と思われていました)

しかも完全母乳育児です。

発育はすこぶる順調 、生後22日目で1日41gの体重増加 (平均30g前後)です。

口蓋裂の合併が無いので軽いほうですが、でもこれはすごいことなのです。

普通、専用の乳首を用いてもなかなか体重の増加が難しく発育に支障をきたすことが多いのですが、ある病院の助産師が特訓したそうです。

そのお陰だとママは言ってました。そうかもしれないと心中拍手喝采しましたが、同時に器用な赤ちゃんに乾杯したい気分でした!!

いくらママや助産師が熱心に授乳訓練しても肝心な赤ちゃんがやる気がないと、こうはうまくいきませんから。

でもママ が3人目で育児に慣れていて、とても明るく

『始めはショックだったけど、泣いていても何も変わらないし、何より悲しむとこの子がかわいそうですから、兄ちゃんたちも可愛がってくれるし、とにかくきちんと治してあげようと思います。1回目の手術が来月なんです』

と前向きであることに感心しました。

お兄ちゃんたちにはどんな説明をしたの?と伺ったら

名答 ですよ!

『お腹の中にいたとき怪我をしちゃったの』と。

それですんなり受け入れてくれたそうです。

初めての女の子のため、家族みんなで可愛がっている様子に安心しました。

 

◆おはなし◆ 

生後2ヶ月の男のお子さんです。

うくん、あうん、うにゃうにゃ・・・ととても長く私とお話をしました。

目が見えて反応するようになると、お母さんも 回りもなんとなく赤ちゃんと コミュニケーションがとれて少し楽になってきますね。

でもここにくるまではこの方も、思い悩んだのです。

赤ちゃんが5~6時間泣き続ける、

おっぱいが出ない、

赤ちゃんが吸ってくれない、

あやし方が分からない、

何もかもが不安等々・・・

 

でも時が解決します。

今日、こちらに来る前に退院後3日目のお母さんのところに行きました。

「何で泣いているのか分からないし、30分くらいでおっぱいは欲しがるし、真っ赤になって泣くので具合が悪いのではないかと心配して熱を測ってしまいました。でも良く測れなくて・・・」

そうなんです。

生後1ヶ月はお母さんと赤ちゃんがお互いに慣れていく期間なのです。

だから出来なくて当たり前、わからなくて当たり前ですから、あせらず手探りで育児をしてください。

答えは「赤ちゃんが教えてくれます」から。育児書ではなく「目の前にいるわが子をよく観察して」ください。

泣いたら、

「おっぱいかな」、

「おむつかな」、

「抱っこかな」、

「眠いのかな」、

「げっぷが出なくて気持ち悪いのかな」、

「どこか痛いのか」、

「痒いのかな」、

「暑いのかな」、

「寒いのかな」、

などなど、いろいろ試していると、どれかにあたります。

でもあまりゆっくりしていると、そのうち癇癪をおこして怒って泣きやまなくなりますから厄介ですけど・・(笑)

そしたらひたすら謝ってあやしてあげてください。

わかりますから。(赤ちゃんは賢いですよ!)

 

◆うまくいきました!◆ 

「添い乳、ウマくいきました\(^o^)/ 朝まで大泣きする事なく私も○○もグッスリ。

夜中も自分の胸の張りで目が覚め、○○の位置を変えてまた深い眠りへ。

朝、オムツはビックリする程重たくなっていました。(謝って取り替えました)

今のところ搾乳する事はなく、吸ってもらっておさまってます。良かった〜」

 

今朝こんなメールが届きました。

実は、退院して5日目ですが、毎晩30分~1時間で泣いて起こされるので、ママがグロッキー気味。

今の時期、泣くのはおっぱいだけでなく「ママとの分離不安、一人寝の寂しさや布団の冷たさ」などなどいろいろ理由があります。

そこで添い寝でおっぱいを提案し方法を伝授したところ上記のようなメールがとどきました。

ママは「していいんですか?」と心配していましたが、昔のお母さんたちは皆やってましたよ。

つぶしたりしたら危ないという心配で禁止の方向になっていったのだと思いますが、母親は眠っていても無意識のうちに赤ちゃんをかばっているものです。

しかし寝相が悪いと自覚されていて心配の方にはお勧めしませんが、赤ちゃんは「ママの匂いと暖かくて気持ちの良い布団で安心」して良く眠りますよ。

 

◆赤ちゃんが泣き止まないとき◆ 

昨日、テレビを見ていたら、赤ちゃんが 泣きやまないときの工夫を、ある方が知人から聞いた話として「耳もとで麺類をすすると良い 」と紹介していました。

実際にご自分のお子さんで試して成功 、番組でも数人の赤ちゃんで試したところ全員成功 していました。

その方はインスタントラーメン、番組では日本ソバでした。

そのVTRを小児科医がみて「お母さんの血液が流れる音に似ていて安心するせいだろう」と解説していました。

他にもう一つ、「泣いている本人の姿を携帯の動画を使って録画し、泣いたらそれを見せると泣き止む」と言うのを、NHKの番組であるお母さんが紹介していました。

又、私の姪っ子はこれも聞いた話だといって「スーパーのビニール袋をガシャガシャ」やってました。

少しは効果あったようですよ。

皆苦労しているんですね。

 

◆生後2ヶ月目です◆ 

母乳だけで1日50~60g増えて優良児です。何もトラブルがなく順調 に育っていると、私には思えますが。

でも、ママ はいろいろなことが心配です。

最初の頃

①泣かれること (何で泣いているのかつかめない)

②おっぱいが足りてるか

③授乳間隔が2時間で短かすぎないか

④寝たので布団に寝かせると泣くのは何故か

⑤肌がかさかさは大丈夫か

⑥ウンチの中につぶつぶが混じってるが大丈夫か

等などの質問がありました。

基本的に赤ちゃんは機嫌がよくて、おっぱいを良く飲んでいれば心配がないと言われています。

こんなに心配していたママも、今ではずいぶん慣れて赤ちゃんの欲求がだんだん分かるようになってきました。

でも夜中にちょい飲みをするため、睡眠不足 になることがあるようです。

このママは昼寝が出来ないタイプなので、毎夜のことになると辛いことですね。

でもこの時期を魔の3ヶ月というので、もう少しの辛抱です。

昼寝の出来ないママには、横になることをお勧めしました。それだけでも休息になりますので・・・・・(横になると肝臓に倍の血液が流れ疲れがとれると言われています)

 

◆誕生日に思う◆ 

今日は私の誕生日 です。65年前出生体重 は約480匁(1800g)低出生体重児 でした。

よく育った と思います。そう思う理由はいくつかあります。

①生下時体重が1800g(平均3000g)

②体温維持が難しい環境だったということ。出生直後の低体温は死に直結しますから、現在もいろいろ予防策がとられています。

例えばその予防のため、現在では産湯はしなくなりましたし、処置は温かい台の上で行われるようになっています。

それでも怪しい時はクベース(保育器)に収容して温めます。

しかし8月15日の終戦から2ヶ月、しかも離島です。クベースなどありません。

そこでどうしたと思いますか?

③知恵者のおばあちゃんが、まずは母にカンガルーケァをさせ、その後は5合ビン数本にお湯を入れて私の周りを囲ったそうです。

すごいですね~。

南米コロンビア、ボゴタの医師たちも真っ青です。(カンガルーケアは1979年保育器が足りなくなったので母親に抱かせたのが始まり)

この医師達よりはるか前(34年前)にカンガルーケァをやっていたのですから。まさに洋の東西を問わず、「人間窮すれば通ず」のことわざ通りです。

子どものころは虚弱体質でしたが子どもを産んでからは元気になりました。

最も体重も大幅に増えましたが(笑)

 

◆こんなに大変だと思わなかった!~◆ 

「この子がいなければ・・・」思わずつぶやいた自分を責めているママ 。

生後14日目からおっぱいが足りているか心配というママに関わり始め1ヶ月と1週間です。

おっぱいは充分すぎるほど出ていました。

入院時からすでに赤ちゃん のお尻が赤くなり、日々ひどくなってただれていたようで、その痛さを泣いて訴えていたのをキャッチできなかったようです。

そのため赤ちゃんがじれて 甲高い声で泣くようになってしまったのをおっぱい 不足と勘違いしてミルク の追加をしていました。

生後3ヶ月までは満腹中枢が未熟なためミルク は体力が続く限り飲んでしまうといわれています。

この赤ちゃんにしてみれば問題が解決してないわけですから、ミルクを飲んでも泣くわけです。

で、この赤ちゃんにとっては根本解決がされないまま経過していました。

ある日私が偶然おむつ交換して分かったのですが、おしりは真っ赤にただれて見るからに痛そうです。

こんなに一生懸命しているのに何でそう泣くの? ママは疲れて思わず先程の言葉を私に言ってしまいました。

「うかつだった。もっと早く見てあげればよかった」と私は深く反省しました。

早速手当ての仕方をママに手ほどきしてママも頑張って約1週間で治しました。

ようやく赤ちゃんも落ち着いてきて「少し可愛い と思えるようになりました」と言うママの言葉を聞き「ほっと」しました。

でもまだ赤ちゃんは「また痛くなるのでは?」とウンチやおしっこをするたびに甲高い声で泣き身体を硬くつっぱります。

そこでオムツ交換の度にママの素手でお尻を包み「おまじない」をしてもらうようにしました。

 

このつづきは後日・・・

 

◆初めての育児~続き~◆ 

おっぱい を出すコツは赤ちゃんに吸ってもらうのが一番といいます。

たくさん出ていたのに段々出なくなっていくのには理由があって、

第一に飲ませる回数が少ない(1~2ヶ月は1日10回以上)

第二にママが慢性的に心身ともに疲れがたまり、リラックスできない状態が続いている

など上記の原因が考えられます。

とにかくこの赤ちゃんは機嫌よくしていることが少なく、何をやってもだめだったのでママが自信を無くしてしまいました。

最初はお尻のただれが痛くて不機嫌だったのですが、おまじないが効いてそのことで泣くことはなくなってきました。

ところが、それが治ったころに、今度はママのおっぱいが足りなくて不機嫌になっていました。

この二つのことはまったく違う理由ですが、赤ちゃんにとってはどちらも不愉快なことだったので泣くことが多かったようです。

でもママは不足していると思わなかったので、母乳だけでやりたいと頻繁に飲ませて頑張っていました。

ところが体重が増えないので心配してミルクを足したほうがいいかと相談されました。

そこで久しぶりに伺ったところ、右のおっぱいは詰ってしまって以前のようにおっぱいが出ていません。

試しにミルクを足してみました。

140mlぺロッと飲んで上機嫌です。

その後眠たそうにしていたのでママがスリングに入れて抱っこしたら、この後の反応には、私も驚きましたが

“そう!こんな風にしてもらいたかったんだよ”

と言わんばかり上機嫌で、突然ママの顔を見て話し始めたのです。

それも結構なが~く一生懸命です。

よほど満足し、嬉しかったのだとその変化に感心してしまいました。

ママもはじめて見る表情だったのでびっくりするやら嬉しいやらで、赤ちゃんからの最高のプレゼントに幸せそうでした。

私も初めての経験でしたが、2ヶ月余の赤ちゃんの能力の高さをまざまざと見せつけられたように思います。

おっぱいが回復するまで、ミルクを足すことになりましたが、哺乳瓶で足すことに抵抗があると言うので、ナーシングサプリメンターで補うことになりました。

母子の緊張をほぐそうと、友人の助産師にわらべ歌ベビーマッサージのさわりを伝授してもらったり、いろいろ励ましたり してようやくママと赤ちゃんの笑顔が見られるようになりました。

 

◆ママの不安◆ 

ここのところ、世田谷の用賀、新宿の四谷3丁目、新宿の落合など頻繁に訪問 をしています。

依頼内容は様々です。

おっぱい が足りないのでは?

から始まり

陥没乳頭で吸わせられない、

おっぱいが詰って しまった、

赤ちゃんが何で泣いている のか分からない、

授乳時間がだらだらと長い、

睡眠不足 になりそう、

自分の時間 がない・・・

皆、育児書を読んで知識としては理解しています。

異口同音に仰るのは『こんなに大変 だと思っていなかった、お産のことは教えてくれたけど、おっぱいのことや授乳のことは誰も教えてくれなった』

この言葉を聴くたびに、テレビ放映されていた裸で暮らしている外国の原住民のことを思い浮かべます。

彼女らは小さい時から生まれたての赤ちゃんを 見る機会があり、育児のしかたは学ぶというより日常茶飯事に見ているので自然に身についているのでしょう。

スリングに子どもをいれっぱなしにして、おっぱいは子どもが欲しがるままに与え(これ、まさに母乳育児の基本・・・笑)オムツはせずに 子どもの様子でウンチもおしっこも わかるとか。

きっと見分けるポイントも伝承されて いってるのでしょうから、子どもを産んだあとはみようみまねで育児をしているように思います。

私達も初めてのことでも見たり聞いたりしていたことについてはなんとなくできる気が しませんか?

それに引き換え、過去に一度も新生児を見ないまま我が子を抱くのですから、不安 になるのは無理ないと思うようになりました。

「どんなことが不安 に思うの?」とお聞きしてみたら、とほとんどのママは「自分の落ち度でこの子が死んだらどうしよう」と思うそうです。

そういえば私も、我が子が新生児 の頃、ぐっすり眠っている子 どもが息しているのか心配になり、ティッシュを1㎝幅の短冊に切り鼻に近づけて揺れるのを確認して安心した覚えがあるのを思いだします。(笑)

育児知識のあるママの不安を解消する特効薬 になる妙案はありませんが、経験上おっぱい が良く出るようになると母としての自信がつくようです。

 

◆ママ、おいしかったよ!◆ 

好きなだけ何回も授乳させてもらった後、満足感 いっぱいです。

ママと上機嫌 の笑顔で、お話しています。

まだ45日、1ヶ月半ですが、もう眼が見えてます。

最近、泣く ことが多かったそうで、何故か分からなかったと……

ママの弁

実は赤ちゃん訪問の助産師の授乳にかかる時間についてのアドバイスが、この母子に合ってなかった のが原因でした。

慣れないながらも上手くいきつつある時でしたが、それを否定されたのでママは不安と迷い が生じてしまいました。

それを赤ちゃんが敏感に感じていたのです。

この時期の母乳育児の授乳にかかる時間 は個人差があります。

1回の時間30〜40分はザラ ですし、おまけに数回に分けて飲むお子さんもいます。

すぐに疲れて眠って しまいますから、ちょこのみは仕方ないのです。

そうしながら顎がだんだん強く なり、1回に飲める量が次第に増えて いきます。

ですから自ずと授乳回数が10回以上になり、15.16回の赤ちゃんもたくさんいます。

因みに少し母乳育児の赤ちゃんの授乳パターンを説明してみます。

母乳育児が確立するまでの期間は個人差があり、ひとくくりに出来ませんが2〜3ヶ月すると、その子なりのリズム が出来上がります。

それまで頻回授乳は当たり前で、この期間は自動車免許でいえば仮免前の技術の獲得期間だと思ってください。

何故かというと、生まれたばかりの赤ちゃんは、最初はおちょぼ口だったり、せっかちにくわえて浅飲みしたり、くわえることさえもできなかったり等々、何かしらスムースに出来ないことがあります。

しかし回数を重ねるにしたがって一部のお子さんを除いて、ほとんどのお子さんは段々上手になっていきます。

もちろんお腹の中で練習してきたの?というくらい最初から上手におっぱいをくわえ、吸うお子さんもいますが、滅多にいません。

そのことから、この頻回授乳は母子にとって、とても意味のあることなのです。

まず母 にとっては頻回におっぱい を吸って空にしてもらうことが、乳汁分泌ホルモンを促す刺激になり、 どんどん出るようになります。

子にとっては回数多く吸うことで乳首のくわえかたも上手 になり、顎の力もついて 効率よくおっぱいを吸うことができるようになるのです。

ですから食の細い赤ちゃんや吸う力があまり強くない赤ちゃんは必然的に飲む回数が多く なり、授乳時間が長くなることは仕方のないことだと思いませんか?

この時期のママ の一番の仕事は授乳だと割り切り、赤ちゃんの欲しがるままにせっせとあげていると、母子がお互いストレスを貯めないで早く母乳育児が確立しますよ。

さてまた話を戻します。

授乳のアドバイスは、その時の状況で判断しなければなりません。

例えば、授乳時の抱きかた、赤ちゃん の乳首のくわえかた、授乳中の顎の動かし方などが適切か、おっぱいの分泌量は十分か、これらがすべて上手くいってからのアドバイスと、まだまだの時のアドバイスは違います。

また ミルク、混合、母乳 栄養などによっても違います。

世界的に母乳育児を推進している現在でも、まだまだミルク育児 時のアドバイスが幅をきかせていて、それを母乳育児 にもあてはめるため(一部の医療関係者、ミルク世代の一般の方など)いろいろな場面でママたちを戸惑わせているのが現状です。

と言うわけで、厳しい言い方をすれば先のアドバイスが適切はでなかった。

同業者として申し訳なく 思いましたし、私も気をつけなければと考えさせられました。

今回は、以前にP&Pをご利用下さったママからの連絡で知りました。

その方のご友人でしたが、「これで自信を持って母乳育児ができます」と笑顔を取り戻して頂き、明るくなったので本当に良かったです。

 

◆母と子が二人で「気」を合わせたら・・・◆ 

前記事のお子さんですがママとお話しています。

「ここ数日急に発育したみたいです 」とママが仰る通り、本当にしっかりママに向かって口を尖らせ動かしながら何か言ってるような仕草をします。

私が想像するに、きっとママがおっぱいを気の済むままに飲ませてくれるから大満足で上機嫌 なのだと思います。

その秘訣は

ママが授乳時間を決めず赤ちゃんの欲しがる時間に欲しがるままあげてたら1回の授乳を「吸っては眠り、また起きて、吸っては眠り」を3回くらい繰り返すと満足するということに気がついたのです。

その方がお互いストレスがたまらないため赤ちゃんが上機嫌になったというわけです。

この時期に頻回授乳 することで、赤ちゃんの飲む量とママのおっぱいの生産量(需要と供給のバランス)が早くピッタリ合うようになります。

そうするとママのおっぱいはむやみに張らず普段はふわふわしていて、赤ちゃんが吸い付くと、にわかに生産稼働 するようになります。

ここまで来ると母乳育児も揺るがないもの になります。

おっぱいって活きてる と感じることの一つです。

 

◆育児書通りにいかない育児!◆ 

先日、繰り返す乳腺炎 の方を知人から紹介されました。

乳腺炎 そのものは軽くて、ご自身の手当てでもう峠を越していましたから、今後、拗らせないためと早く治すための手当てをしました。

しかし、やりながら話をしていくうちに、育児に行き詰まっている感じを受け、そちらの方が気になってしまいました。いつものお節介が頭をもたげ、ついつい話を聞くことになってしまいました。

ママの悩みは育児書や病院で聞いた通りに出来ないことでした。

以下がその悩みの種です。

◎おっぱいは両方5分ずつ

◎3時間置きに飲ませなさい

◎20分以上吸い付いているのは足りない証拠

◎飲んだあとは搾りなさい

真面目なママ は何とか上記に近づけようと頑張っていました。

でも赤ちゃんは頻回に欲しがり3時間もたない。

5分置きに交互に飲ませるため時計を見ながら授乳していて疲れる。

1回の授乳に1時間位かかる。

絞っているがすぐおっぱいが張って痛くて辛い………。

話を聞いて気の毒になりました。

頑張っている分手抜きが出来ないので、気持ちに余裕がなくなり心身ともにガチガチになって います。

だから乳腺炎を繰り返していたのかもしれません。

ママのおっぱいは巨乳 、おっぱいは有り余るほど 出ています。

このようなおっぱいは、やたら絞ると分泌過多になり収拾がつかなくなります。

おっぱいは 一人分出ればいいのです

だから余分に出たら始末にこまります。

私は次のように言いました。

「人間の子供はロボットではない」こと、

「育児書や教科書は あくまでも統計学上一番多いところをとって書いてある」こと、

「子供は個性 があり皆違う」こと、

「授乳間隔や授乳に掛かる時間」、

そして一番肝心な「哺乳量を決める のは全て赤ちゃん 」で、親を含めまわりの大人がその「赤ちゃんの 意志を無視してコントロールしてはいけない」こと、

それをすると「赤ちゃんがストレスを感じてやたら泣くことが多くなる」こと、

「赤ちゃんの気持を尊重する」と「母子ともにストレスなく穏やかにすごせる」こと、

「おっぱいもだんだん赤ちゃんの飲む分だけ出るようになる」こと、

授乳に関して本に書いてある通りにいかなくても「体重が順調に増え赤ちゃんが機嫌良ければ多少育児書通りにいかなくても心配ない」こと、大事なことは「赤ちゃんとママが気持ちよく過ごせる」こと

などを話し、その対処法を伝えましたが半信半疑の顔をしていました。

それはそうです。今が今までやっていたことと反対のやり方になりますから。

でも翌朝、「昨日は添い乳して久しぶりにゆっくり寝ました。

おっぱいもガンガン張って痛くなるのではと心配しましたが大丈夫でした。

相変わらずしょっちゅう欲しがりますが、穏やかな気持ちであげられます」とメールがあり安心しました。

ここでもノニの湿布が活躍しました。(ノニは体のバランスを整え健康にします)

 

◆授乳時あわてないで!赤ちゃんの意志を尊重して!◆ 

乳首をくわえさせるとき、あせって早く赤ちゃんの 口に乳首を入れていませんか?

いつもそうしていると、赤ちゃんも「あせらないといけない」と思ってしまいます。

また乳首をくわえる瞬間強い 力が加わり、乳首痛や傷の 原因にもなります。

しかも赤ちゃんが自分の意思とは違うタイミングで乳首を口の中に入れられるので、ストレス を感じて、これも無駄泣きの 原因の一つになります。

落ち着いて 、くわえさせるようにすると、赤ちゃんも自分のペースでくわえるために、あせって吸い付かなくなり表情も 落ち着いてきますよ。

そのポイントは正しいポジショニングとをすること、赤ちゃんの意志を尊重することの二つです。

* 赤ちゃんが 「自分から咥えるの待つ」 というのがコツです。

「はい、どうぞ」と言いながら乳首に 赤ちゃんの口元を充分近づけて待っていると、赤ちゃんが自分から乳首を探してくわえます。

(このとき左右に頭を振るようにして口をあけながら乳首を探しますから、その時は赤ちゃんが、くわえやすい位置に乳首を近づけて協力してあげてください)

* この探す行為を「イヤイヤしてる」と勘違いされることがありますが、それはありません。イヤイヤはもう少し月齢が上がってからです。

* 正しいポジショニングとは赤ちゃんのお腹と胸がとママと平行になるように向かい合わせに抱くことです。

* その後、赤ちゃんの顎を口より先におっぱいにつけることです。しかし、これが一番難しいようですから、まずはくわえてもらって、落ち着いて飲み始めたら、赤ちゃんの腰と足のほうを、そーっと自分の身体に巻きつけるようにすると次第にアヒル口 になり深くくわえられるようになります。

《足のほうが吹流しのようにママからはなれないのがコツ》

これが出来るようになると効果的に母乳を飲みとることができて、良く出るようになります。

* いつでしたか、「赤ちゃんがおっぱい飲まなくなった。ママがおっぱいあげる体制で抱くと泣く 。今は6時間経っているので お腹が空いてるはずだけど泣かなくなった」ということがありました。

原因はアヒル口にさせようと何度もくわえさせ直していたために赤ちゃんが怒ってストライキを起こしたのです。

ちょっとおまじないをしたら機嫌を直して6時間 の空腹を取り戻すかのように、30分間夢中になって飲んでいました。

これも赤ちゃんの意志を尊重しなかったためのハプニングですね。

以上、最近訪問していて感じたことです。

 

◆上手な抱き方◆ 

写真は 上手な抱き方のお手本です。

 

①赤ちゃんの胸とお腹がお母さんと向き合ってます。

②写真では分かりにくいですが、赤ちゃんの顎がおっぱいに しっかりついています。

③赤ちゃんの鼻がおっぱいから離れています。

④お母さんの左の肘で赤ちゃんの腰と足をしっかりお母さんの身体に巻きつけるようにすると②と③ができます。

⑤こんな風に抱くと、飲んでるうちに自然に赤ちゃんはアヒル口 になりますので、くわえさせてから赤ちゃんの口唇をめくったり、何度もくわえなおしを する必要はありません。試してみてください。

 

◆母乳育児◆ 

「白斑」のご依頼でいってきました。6ヶ月の女の子 です。生後2ヶ月で保育園の抽選に当たり、予定より早く保育園デビュー をされたとか。

それでも、母乳育児 をずっと続けています。日中搾乳して母乳パックにとり、それを保育園に持参してほとんど母乳で賄っているそうですがえらいですね~。

でも夕方帰ると、すぐオッパイを欲しがって泣く と言ってました。

それは赤ちゃんにしたら当たり前のことなんです。

以前伺った話ですが、同僚のお子さんも、家 の玄関に入るなり「パイパイ! パイパイ!」とせがんだそうです。

このお子さんは、結局2才半まで母乳を飲みました(笑)

6ヶ月ではまだまだお母さんにくっついていたい時期です。

お腹が空いたのもありますが、1日お母さんと離れていたことで「心が空いた!」と言ってることをわかってあげて欲しい、とママに余計なことを言ってしまいました。

「空いた心」を満たすのは簡単なことです。

お迎えに行ったら先生方への挨拶より先に、まず向き合って赤ちゃんの名前を呼びながら目と目を合わせてお話すればいいだけ。

お子さんがママを見てニコッと笑ったら OKです。

このコミュニケーションは3分 掛かりません。

もちろん母子のコミュニケーションの最初は、まずおっぱいですが、ミルクの方は大げさなくらい両手を広げお子さんを抱きしめ声かけをしてあげてください。

 

ー話しかけて、抱きしめて、ほお擦りをしてー お腹も心も満たされれば、意味もなく泣くことはあまりないですよ。

 

◆できた!わかった!の瞬間◆ 

「あ〜! これか〜!」とわかりました 。

私が言っていたアヒル口 が自然に出来た 瞬間です。

これまでは赤ちゃんの下唇が中にめりこんでしまい、くちゅくちゅ飲みがほとんどでした。

「ごっくんごっくん」という飲み方が短いため哺乳量が思ったより増えず、必然的に体重増加もはかばかしくありません。

そこで今回のトレーニングになったわけですが、今までの経験状タイムリミットは2か月位です。

もう3か月ですからこれがラストチャンスといえます。

これ以後は赤ちゃんも自分流ができてしまいますから直してもすぐ元通り になり難しいです。

教えて貰ったその時にはわかった つもりでも独りになったとき、これでいいのか不安になるので確認してもらえたら安心だからとおっしゃていました。

アヒル口 はオッパイを口いっぱいくわえしっかり飲めている証拠 であるだけでなく、おっぱいのトラブルの予防にもなります。

只今、浅い飲み方の矯正中ですが3ヶ月も浅飲みしていたのに学習能力は高いですね〜。

わずか4日で改善の兆しが現れました。

これがまぐれだとしても近い将来、必ず毎回アヒル口で呑めるようになります。

ママも赤ちゃんも努力した結果ですが、これはなんといてもママの頑張り です。

上下の唇が大きく開いている状態を朝顔口やアヒル口(またはドナルドダックぐち)ともいいます。

 

◆泣き続ける赤ちゃん(2か月と数日です)◆ 

抱っこの仕方を教えてほしい。

赤ちゃんが6〜8時間泣き続けて 親の私たち が参ってしまいそう。

ママは落としてはいけない とつい力を入れて抱いてしまう

→赤ちゃんが泣いて動く ので益々力が入り

→赤ちゃんが怒って 泣く

→の悪循環。

 

ママは単に抱きかたの問題だと思って依頼してきました。

でも、それだけではなさそうです。

数時間 一緒にいて分かりました 。

活動的 なお子さんによくみられるのですが、 目が見えるようになってジッと寝ているのが退屈。

抱っこして動いて欲しい。

しかも頭が自由に動かせるように縦抱きにしてほしい。

眠いから揺らして寝かせてほしい。

時にはおっぱいをクチュクチュしながら寝たい 。

などこのお子さんは欲求が細かいのです(笑)

慣れないママ、パパにはわからなくて当然です。

それに加えて急成長 の時期です。

生後3週間、6週間、3ヶ月、6ヶ月前後は急成長する時期で、飲んでも飲んでもオッパイを欲しがるのです。(因みに、この時期の成長過程をみてください。心身の変化の 前に欲しがりますから何があるのか楽しみにすると辛さも少しは軽減するかも・・・)

今、飲んだばかりなので泣いてるのはオッパイだと思わなかったようです。

それに前述の細かい欲求が加わったためにママもパパも振り回されて しまいました。

助産師仲間 で子育て中の方たちが 【オッパイに子守させると楽よね。機嫌が悪くなったらまずオッパイをあげるとすぐなおるから】 というのを聞きました。

この方にもそう話しました。

因みに泣く回数が多いのも3ヶ月過ぎ位まで。

寝返りが始まり自分で動けるようになればおさまるといわれてます。

2、3日してママから ~何とか赤ちゃんの欲求を汲み取ってやってます~ とメールがありました。